コールマン ヨット単独世界一周に挑戦の77歳、斉藤実氏 最高齢記録・最多回数を更新して横浜に生還

 ヨットによる単独世界一周をすでに7回も成功させ、ギネスブックにも記録される斉藤実氏(77)が、「Shuten-dohji(酒呑童子)3」とともに9月17日、2009年9月の出港から1080日間、およそ3年となる長旅の末に横浜に帰港した。当初予定していた無寄港での記録達成はかなわなかったものの、単独世界一周の最高齢記録、最多回数を更新。西回りの世界一周最高齢記録を樹立した。    多くの報道陣が出迎える中、横浜のぷかり桟橋に午前10時半に到着した斉藤氏。支援者と抱き合い、満面の笑顔で生還とその挑戦の成功を喜び合った。3年ぶりに日本の地を踏んだ斉藤氏は「私はこれまでの8度を数える世界一周の挑戦で一度もギブアップしたことはありません。今回もチリ沖で大変な嵐に遭い、船体も大きく破損しましたが、くじけることはありませんでした。日本もきっと立ち直れるはず」と、ハワイの港で彼自身も津波の影響を経験したという、東日本大震災の被災地にエールを送った。  2004年に東回りの単独無寄港世界一周を成功させ、「世界最高齢(71歳)」「シングルハンド艇による最多回数(7回)」というという記録を樹立させた斉藤氏。2007年にはギネスブックに「単独・無寄港で世界一周をした世界最高齢の人物」として掲載される。そして2008年9月に「SAITO CHALLENGE8」と名づけられた世界最高齢西回り単独世界一周8度目の挑戦へと出港した。    予定を遥かに越える長い航海の中、世界最南端の地、プンタ・アレナスでは寄港中に体調を崩し、緊急手術を行うことになり、ハワイに寄港中には横断歩道を歩行中に交通事故に遭い、膝に手術を要する傷を負うなど、この3年間、大変なトラブルにも見舞われるものの、その旅を中止するという気持ちには全くならなかったという。そのサポートをし続けたニコル・グループの代表、ニコ・ローレケ氏も「斉藤さんのことは常に心配はしていました、しかし彼のチャレンジ・スピリットを信じていましたし、この航海中、スタッフ、社員一同、彼と共に航海している気持ちで、かけがえのない勇気と情熱をいただきました。トラブルが起きた時にサポートいただいた寄港地チリの花岡さん、ハワイのデビッドさん、小笠原の田村さんにも感謝したい」とこの長い航海となった3年間を振り返った。  斉藤氏は「海の上で、どんなにひどい嵐に遭っても、恐怖を感じたことはありません。むしろ嵐に向かって船を走らせているときはわくわくしている」と言う。なぜそんなチャレンジをし続けるのか、という問いに対して「まだ経験したことのないことをやってみたいから。今回も西周りをしたことがなかったからチャレンジしました」とそのエネルギーの源泉は、自身の限りない好奇心だという。そして次のチャレンジにも言及。「まだ行ったことのない北海を抜けていくコースを80歳までにはやってみたい」と抱負を語った。  Text Takamasa Wada